Weekly China

https://note.com/weekly_china に移行しました。 中国在住の著者が、①中国の最新のビジネスや技術を中心に ②現地にいるからこその実体験を交えつつ ③日中英あらゆる媒体を使い、多角的に報じるブログです!

中国の最新無人スーパーに行ってみた

会社の近くに話題の無人スーパー!があったので行ってみました。前回特集した最新型自販機を出している京東の「京東X無人超市」です。

 

weeklychina.hatenablog.com

 

結論から言うと、まだ完全無人では無かったし、そこまでユーザーエクスペリエンスが良かったとは思わなかったですが、近未来感に感動を隠せませんでした。(ちょっと興奮しすぎて涙が出ちゃったのはここだけの話です)

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まずは実践から。今回はちょっと文章と写真だけじゃ分かりにくいかも。

  1. 初回はWechatを起動し、店頭にあるQRコードを読み取り、会員登録! 顔写真をアップロード+ウィーチャットペイと連携させます。会員登録後、マイQRコードが発行されます。
  1. 店内に入る前にゲートがあるのですが、手すり部分に、さっきのQRコードをかざします。そして目の前にあるモニターのカメラが顔を認識、QRコードに登録した顔写真と一致するとゲートが開き、無事店内に。最近いろんなところで使われてきた顔認識がここにも!

     

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  2. 普通に買いたいものをとります。店内の品揃えはスーパーというよりコンビニでした。違うとしたら、商品一つ一つに RFID ラベルと呼ばれる無線通信を用いた白いシールが貼ってあることです。

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  3. 肝心の支払い。写真のようなお会計用の通路の真ん中に立ち、モニターについているカメラを見ます。カメラが顔を認識すると、奥のドアが自動で開くので、外に出ます。はい、お買い物終わり。

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ちょっとまった、支払いはどこいったんや?

そういう声が聞こえるので、お会計用通路を通るときに起こった出来事をまとめると

①商品に貼られているRFID ラベルによって、何を買ったか機械が自動で把握、金額を算出

②通路にあるカメラが自分の顔を認証

③その顔を登録しているアカウントに紐付けているウィーチャットペイから自動で金額が引き落とされます。

 

 顔認識+自動決済+RFID ラベルを屈指した、スーパー(というかコンビニ)。近未来でしょ?ただ実際に使った感想としては

 

 

・特に便利になってねえ 

何よりも入口と出口の顔認識の反応が遅い。どちらも7秒ほどかかったと思います。しかし店員さんによると京東本社にある同じ無人店舗のカメラの反応の方が良いと言っていたので、ここはまだまだ短くなっていくと思います。将来的には、立ち止まる時に瞬時に認識してくれたら、もっと便利です。あと、このお店は入口と出口が一つしかないから前のお客さんがモタモタしてたり顔認識に時間がかかったりすると、さらに遅くなりますね。

無人じゃねえ

まだ新しい形態のコンビニということもあってか、先進的すぎてついていけない人のために誘導員が居たし、また商品を並べるのも人です。ただ、誘導員に関しては、人々が慣れていくにつれて多分すぐに居なくなるんだろうなと予想。

・他のコンビニより安め

例えばドリンクとインスタントの鍋を買ったのですが、他のコンビニと比べると10%ほど安かったです。やはり人件費が安いことが理由だと思われます。

  

ちなみにこの無人店舗は2017年の10月時点ですでに京東の本社にあり、現在北京には5店舗あり、さらに京東は2018年には全国で100店舗以上開店すると発表しています。最新技術を取り入れる速さと、それが拡大する速さは、やはり中国らしいと言わざるを得ません。数年後にはこれがコンビニ/スーパーのスタンダードになっているかも。ということで、今回は京東の無人スーパーの特集でした!今後、京東という会社自体についてもまとめていければと思います!

 

ByteDanceにあった超最新型自販機

 


ちょっと会社ですごいものを発見したので、ミニカラオケを詳しく見るという今週のプランを変更。

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見たらわかるように、ドリンクがたくさん入っている冷蔵庫っぽいものですが、実は最新型自販機。(中国語名を直訳するとスマートコンテナって書くんですが、ちょっとよく分からないので自販機って言わせてください笑)

 

これがあったのは、会社の自分の席の目と鼻の先。ただの自販機かと最初思ってたら軽く想像を超えてきました。というのも、最近話題の無人店舗と同じ技術を使っていたからです。どういうことか。いつも通り実際に使ってみましょう。

 

 

初回はQRコードを読み取って、Wechatと連携させます。10秒もかかりません。登録ができたら、初回はそのままで自販機の扉が開くのですが、2回目から使用する時は、

1.WechatQRコードを読み取ります

2.すると、冷蔵庫の鍵が自動解除、10秒以内に扉を開きます

3.欲しいドリンクを取って扉を閉める

 

 

はい、終わり。あれ、支払いは?と思いますよね?そこがポイントです。実は、冷蔵庫の中にあるカメラが、どの商品を取ったか瞬時に判断し、その値段分をWechatと連携している口座から自動で引き落としています

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見せつける必要はないです

 

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自動支払い後に通知が来ます

無人店舗の仕組みとして聞いたことがあったのですが、まさかこんなにもみじかにあるとは思いもしなかったので、最初に体験した時にはかなり興奮して同僚に惹かれました笑 しかし、それほどインパクトがあるものだと思います。特に、技術自体よりも、それの浸透の速さがやはり中国らしい感じました。実際に、京東という会社は、2017年から大都市のオフィスといったパブリックスペースを中心にこの自販機を展開し始め、今年の年末までには5000ヶ所に設置する計画があるそうです。

 

最後に、ただこれ別に普通の自販機でよくね?っていう声が聞こえたのでそれに一言で答えると、置く側の理由としては圧倒的にコストが低いからです。

このタイプの自販機の生産コストは量産体制が確立していない現段階ですでに、通常の自販機のコストの3分の1から5分の1と言われています。また、中のカメラはどの商品を取ったか記録するのと同時に、リアルタイムで在庫を監視し、少なくなると補充するよう通知を送るので、補充を効率化します。そして、通常の自販機の内部にある様々な機械や部品ががなくなったため、モノをより多く置けることもコストを下げています。

消費者としては、棚になっていろんな物が収納できることになったことで、購入する物のバリエーションが増えたことが一番のプラスだと思います。体感では、商品を手に入れるまでのスピードも多少は早くなっていますね。

  

今週は最新型の自販機について話しました。他にも目を凝らしてみたら、町中に新しい技術が散らばっているんだろうなぁ、そう思わされた出来事でした。

 

参考にしたサイト

https://36kr.com/p/5143680.html

 

中国全土に広がる謎のボックス

大家好!突然ですが、この電話ボックスをちょっと大きくしたみたいなの、なんだと思います?

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実はこれカラオケです!今日は中国で爆増するミニカラオケ(迷你KTVについて紹介します。知ってると思いますが、カラオケは日本で誕生し、英語名がKaraokeというほど世界に広まっています。中国も例外ではなく、どの都市にもカラオケ店があります。その中国で誕生し、ここ数年急激に数を増やしているのが、このミニカラオケです。というかこれこそカラオケ「ボックス」ですよね。

 

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 中は最大二人まで入れて、マイク、イスとそして大音量は流せないためか、歌うときに使うヘッドホンが二個ずつあり、後はテレビ画面と選曲機械があります。使い方は簡単、Wechatで選曲機械に表示されたQRコードを読み取り、ユーザー登録、そして歌いたい時間だけWechatで支払います。現金を入れるところは残念ながらありません。そして、歌唱タイム。なかなか音質が良くて、ヘッドホンをするので、自分の声が普通のカラオケよりもダイレクトに聞こえます。歌っているときは自動録音され、終わったら登録しているWechatに送られてきます!Wechatのタイムラインに投稿しろということなんですが、いくら僕の美声でもちょっとハードル高いっすね(ちなみに、LINEのタイムラインと違い、Wechatのタイムラインはかなり活発です) 

まあでも、自分の歌声を客観的に聞くのは歌の上達にいいので、全国のボーカリストのみなさんはこれを使わないわけにはいかないですね。

 

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ただ、問題がこのカラオケ機、30分で50元(約800円)します。日本でもだいぶ高い方だと思うので、物価の比較的安い中国では体感価格はもっと高いです。じゃあこんな高いカラオケ、どこで流行っているの?そこが重要な点です。

 

 このミニカラオケは、すでに中国の大都市だけでなく様々な中小都市でも流行っていますが、主に置かれているのは、ショッピングモールや映画館付近です。ところで、ショッピングモールのレストランの待ち時間が30分あったり、映画まで後20分ある時って中途半端な時間なので、手持ち無沙汰になることってありませんか?まさにその隙間時間を利用したものがこのミニカラオケで、一回あたりの利用時間が短く、また手続きも無人で簡単なので、暇つぶしには最適なものとなっています。たとえ少しの時間でも、消費活動に回させようとする努力がみえますね。

 

ちなみに、上記の写真は北京首都空港の国際ターミナルでとりました。まさか飛行機乗る五分前に歌えるとは思わなかったです(笑) このように、空港や地下鉄の駅がある地下通路なんかにも置いてあります。人の通行量が多くて、待ち時間が発生するようなところは、大体ビジネスチャンスです。でもこれ、一人カラオケ需要や隙間時間の発生はあるものの、日本で導入したところで、人目を気にして避けてしまうのであまり流行らないのではと思います。というのも、ボックスの三辺がガラス張りになっていて、横はカーテンで遮ることができますが、後ろは丸見えなので、、

(たぶんあえて中が見えるようにしているのは、中であんなことやこんなことが行われないようにするためだと思ってます) 

 

ということで今週はここまでで、中国で爆増する謎のカラオケボックスの話でした!

来週は、このカラオケボックスを、よりビジネスの観点から見ていきます。

 

 

中国の東大!北京大の寮で見つけた小さなIoT

記念すべき一つ目の記事は、僕が北京に学生団体の活動で行った時、ホテルのランドリーサービスがとても高く、友人に北京大の寮の洗濯機を使わせてもらった時の話です。

 

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この洗濯機、ブランドはハイアールなのですが、ただの洗濯機ではありません。

なんとスマホアプリと連動しており、アプリ上で様々なことができます。

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まず、アプリを開き、何をしたいか選びます。普通の洗濯、靴の洗濯、そして乾燥があります。次に位置情報により最寄りのアプリ対応洗濯機が表示されるので、それを選択し、最後に速洗などのオプションを選択し、予約完了。どのくらい時間がかかるかも表示されます。その後、十分以内に指定した洗濯機の元に行き、洗濯機に表示された確認コードをアプリに入力後、支払いはもちろん電子決済で

 

さてこれが導入された背景を考えてみましょう。まず前提に、中国の大学生は基本的に集団で大学の寮に住んでいます。人数は、一部屋少なくとも四人で、六人以上のところなどもあります。なかなか考えられないですよね笑                そうなると、トイレやお風呂はもちろん、洗濯機も全てシェアされます。しかし、昔は限られた数の洗濯機を使うために、洗濯機の前にわざわざ行列ができたそうです。行列ができなくても、洗濯しようとしても、誰かが使っていたから待たないといけなかった、なんてことは頻繁に起こります。 

 

この問題をIoT洗濯機が解決しました。今では、行列を作ったり、洗濯機が空いているかわざわざいって確認する時間なんていりません。アプリで先に、空いているものを予約し、また洗濯が終われば、スマホに通知がきます

 

ちなみにこのハイアールの洗濯機、なんと北京大に導入されたのは2015年なのだそう。基本的には大学の寮やホテルなどにあります。大学生が寮に住むこと、そして電子決済が極限まで広まっているという中国独特の背景がゆえに、誕生したIoTの良い例だと思います。

 

実は、このアプリ、他にも面白い機能がいっぱいありますが、それはまた次回以降で!ここまでのご閲読ありがとうございました!

 

 

ブログのテーマについて

「自己紹介」の内容と少し被ってしまいますが、さて、なぜ僕はどんなことを伝えたくてこのブログを作ったのでしょうか?

当ブログのテーマはズバリ

①中国の最新のビジネスや技術を中心に

②現地にいるからこその実体験を交えつつ

③日中英あらゆる媒体を使い、多角的に報じる

 

です。

 

このテーマにした理由は、僕自身が北京や上海に住んでいて、本当に毎日新たな発見があり、これを伝えないのはもったいないと常日頃から感じており、また最近NewsPicksなど、ビジネスマンが読む媒体でよく中国ビジネスの特集がされており、大きな需要があると感じたからです。

しかし、その実体をユーザーベースや現地人の視点で話すメディアは多くありません。そのため実際に現地にいて、現地人の知り合いも多いというアドバンテージを使って、現地人の視点をいれつつ伝えていきたいと思います。アリババやテンセント、バイドゥなどで実際に働いている人のインタビューも行う予定です。しかしビジネスや技術を「中心」に、と書いたように内容はこれらに限定はしないつもりです。何か面白いことや洞察に気づいたら、トピックがなんであれ、書いていくつもりです。

 

あなたがもし

①最近の中国がシェアリングエコノミーや電子決済で発展していることはニュースで知っているけど、詳しいことはあまり知らないから実体を知りたい。

②どんな新しい奇抜なサービスが中国で生まれているか気になる。

③これから中国に住むかもしれないから、現地を知っておきたい。

ような方ならば、ぜひこのブログを読んでいただきたいです!

 

 

 

自己紹介

大家好!

初めまして、邵鴻成(しょうこうせい)と申します。

 

2018年秋に東京大学経済学部を卒業後、中国・北京に渡り、現地のユニコーン企業で中国語と英語に苦しみながらも楽しく働いています。さて、少し自分自身のバックグラウンドについて、話させていただくと、両親が中国・上海出身で、僕自身は大学時代にフランスのパリ政治学院と中国の清華大学に半年ずつ留学した以外は、人生のほとんどを日本で過ごしてきました。そのため、中国語はネイティブレベルに程遠く、現在も毎日新しい単語を吸収している段階です。また、同時に、中国事情にとても精通しているわけでもなく、これもまたインプットの毎日です。ちなみにフランス語に関しては、言うまでもなく。。。

 

さて、このブログは、そんな僕が、最近ますます注目を集めている中国発のビジネスを、実体験を交えながらアウトプットしていくことで、読者が手にわかるように理解してもらう、ということ目的になっております。また、逆説的ですが、アウトプットにはインプットが必要なので、僕自身もたくさんのことを学べればと思います。

頻度としては毎週日曜日に更新します。

手短な自己紹介ですが、ぜひ今後ともよろしくお願いします!

 

また、僕のバックグラウンドに興味ある方は、Linkedinのマイページが貼り付けてありますので、ぜひご確認ください!

https://www.linkedin.com/in/hongcheng-shao-%E9%82%B5%E9%B4%BB%E6%88%90-092330159/